東洋構造コンサルタント株式会社 1級建築士事務所
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レオパレスのアパート、建基法違反の疑い
 レオパレス21は5月29日、国土交通省で記者会見を開き、1996年から2009年にかけて販売したアパートで、「建築基準法に違反する疑いのあるものが発見された」と発表した。該当したのは、「ゴールドレジデンス」シリーズなど、鉄骨ブレース工法や木造軸組み工法を採用した6つのシリーズの建物で、建基法30条や建基法施行令114条1項で定める小屋裏界壁が未施工、または施工不十分だった。
 レオパレス21は、6シリーズの集合住宅計1万3791棟のうち、5月26日時点で290棟の調査を完了。「界壁なし」が17棟、「界壁部分の施工不備」が21棟見つかったことを明らかにした。
 特に「コングラツィア」シリーズは販売期間が2000年7月から09年3月までと長く、調査した41棟のうち3棟で界壁なしが確認された。同社広報部は「界壁なしが見つかった物件の販売時期については公表を控えている」と話す。
 確認申請図書と実際の施工が異なり、界壁のない物件があると発覚したことから、同社は1989年から現在までに施工した集合住宅など3万7853棟を、19年6月までに全棟調査することにした。問題が確認された物件については、同年10月までに補修工事を終える予定だ。

 会見では報道陣から「コストカットや工期短縮のために、故意に界壁の工事を省いたのではないか」といった質問が相次いだ。
 レオパレス21は「界壁工事を省いても1日、2日しか工期は変わらない」と説明。界壁の不備は意図的でないと主張した。管理本部長の田尻和人取締役専務執行役員は「界壁不備は基本的に施工ミス。しかし、一義的には当社に管理の責任がある。きちんと管理していればミスを発見できた」と述べた。
 同社は4月27日にも、1990年代半ばに販売した枠組壁工法の木造集合住宅「ゴールドネイル」と「ニューゴールドネイル」シリーズで、確認申請図書に記載された小屋裏界壁が未施工の物件があったと発表している。この2つのシリーズについては現存する915棟の調査を進めており、5月29日までに168棟で界壁がない物件を確認した。2つのシリーズの建物が存在する全国165の特定行政庁に対して調査内容などを説明している状況だ。
 新たに判明した6つのシリーズの物件での界壁工事の不備は、この調査の過程で見つかった。レオパレス21建築請負事業部の谷本一紀執行役員は建物の安全性について、「直ちに問題がある危険な状態ではない。火災報知器の設置や内装材によって総合的な防火性能は担保している」とする一方で、遮音性能は、「法的にクリアしていない」と説明した。

 建基法違反が疑われる不備の発生について、レオパレス21が説明した原因は2つある。「図面と施工マニュアルの不整合」と「社内検査体制の不備」だ。
 施工者に渡した図面は、複数存在していた。施工マニュアルも界壁の位置が異なるなど幾つかの図面があったという。そのため、施工者による図面の誤認が発生し、界壁を設けない物件が建つことになった。  同規格の物件で複数の図面が存在して整合性が取れなくなった背景には、「頻繁に実施されていた物件のバージョンアップがあった。ミスを誘発した責任は当社にある」と田尻取締役専務執行役員は説明する。
 検査体制についても図面と現場の照合が不十分だった。レオパレス21は、施工段階の検査体制に「甘さがあった」と認める。
 谷本執行役員は「完成までに自社の検査を4回実施していたが、チェックできなかった」と説明した。行政による完了検査の時点では、壁や天井で覆われて目視で検査できなくなっていた。建設途中の社員による検査も、工事の進捗によっては目視による確認ができず、界壁の設置は検査をしていなかった可能性があるという。
 レオパレス21は、今後の調査で界壁工事の不備が見つかれば、全て改修工事を実施する。同社によると、界壁は1つ当たり施工単価が14万~15万円。2階建て10部屋程度の集合住宅ならば、1棟当たり約60万円になる。
 施工は1日から2日程度で完了するため、住人に協力を得て改修工事を進めるという。他の物件に住み替えたいという住人の要望についても希望に応じる方針だ。
 レオパレス21は、3月下旬と4月中旬にあった2人の物件オーナーの指摘から集合住宅の界壁の不備が分かったと4月27日に発表。経営陣は、これより以前には、界壁の不備を把握していなかったと主張する。田尻取締役専務執行役員は「界壁の不備については報告が上がっておらず、経営レベルでは認識していなかった」と説明した。(江村英哲)


ソース :
日経アーキテクチュア 2018_6-14
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