東洋構造コンサルタント株式会社 1級建築士事務所
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断熱材引火で作業員5人死亡
 完成目前の免震ビルが、突如、黒煙にのみ込まれた。7月26日に、東京都多摩市の建設現場で火災が発生し、作業に従事していた5人か死亡、42人が負傷した。断熱材のウレタンに引火したことが原因とみられる。

 火災が発生した現場は「(仮称)多摩テクノロジービルディング計画」。地下3階・地上3階建ての鉄骨造で、事務センターを建設中だった。発注者は三井不動産が100%出資する南多摩特定目的会社。設計は久米設計で、施工は安藤ハザマが担当していた。全工程の約9剤が終了しており、完成目前の事故だった。現場に張られていた工程表によると、火災当日は、耐火工事や内装工事などの作業が行われていた。
 東京消防庁によると、7月26日午後1時50分ごろ出火、午後10時38分に鎮火した。地下2階と地下3階の計約400㎡に加え、地下3階の下にある免震ピット部分約5000㎡が燃えた。警視庁は、出火元は地下3階で、アセチレンボンベのバーナーを用いたH形鋼の切断作業中に、火花が何らかの原因で、免震ピットのウレタン製断熱材に引火したとみている。現場作業員が消火に取り掛かったが、間に合わず延焼した。
 火災発生の翌27日、安藤ハザマの福富正人社長らが会見を開き、謝罪した。同社は、2017年6月にも、東京都江東区の物流倉庫の解体現場で火災を起こしている。
 同社CSR推進室担当者によると、解体現場の火災を受けて、社内で可燃物の取り扱いや避難ルートの確認などを徹底し、現場の安全管理に努めてきたという。多摩市の現場では、17年12月に避難訓練、18年6月には消火訓練を実施していた。だが、教訓は生かされず、多数の死傷者を出す事態となった。安藤ハザマは、現場で実際にどのような防火対策がとられていたか確認中だ。
 警視庁と東京消防庁は7月27日、合同で現場検証に入った。8月6日時点で、原因の詳細は明らかにされていない。

 火災はなぜ起こったのか。現場の免震ピットの天井には、ウレタンが吹き付けられていたとみられる。
 建築材料計画などを専門とする野口貴文・東京大学教授は「ウレタンは一度引火すると発熱速度が大きい。天井面へ吹き付けられた状態であったとすると、着火部分に生じる火炎の長さも天井をはうように相当長くなる。延焼の拡大速度も相当に速かったと考えられる」と説明した。
 なぜ、ウレタンがある状態で鉄骨の切断作業を行ったのか。防火の専門家は現場の作業手順を疑問視する。長谷見雄二・早稲田大学教授は「一般的に、引火性の高いウレタンなどを用いる場合、火花が飛ぶ恐れのある切断作業を先に終わらせる」と指摘する。日本では、改装工事中の出火で100人以上が亡くなった1972年5月の千日デパート火災(大阪市)以降、安全管理体制が強化されてきた。長谷見教授は「工事中の火災の怖さを伝える人がいなくなり、安全管理の常識が継承されなくなっているのではないか」と指摘する。
 そもそもなぜ免震ピット近くに、ウレタンがあったのかが疑問だとの声もある。日本建築性能基準推進協会の菅原進一会長(東京大学名誉教授)は「免震層に問題があると建物全体の構造に関わるため、特に安全性を考慮する必要がある。ウレタンのような引火性の高い材料を使うことは一般的にはない」と指摘した。
 多摩市の火災を受けて、厚生労働省や国土交通省、総務省消防庁は7月27日、都道府県や建設業団体に現場の防火対策などの徹底を促す文書を出した。東京消防庁は、8月末までに地階の階数が3以上の建物や、オリンピック関連施設の工事現場など約1100カ所で防火安全指導を実施する。(坂本曜平)












ソース :
日経アーキテクチュア 2018_8-23
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