3階建て以上の木造は津波被害が小さい
国土交通省は10月4日、東日本大震災の津波で浸水した東北・関東地方の建物約23万棟の調査結果を発表した。鉄筋コンクリート(RC)造では浸水深が8m超、木造では2m超になると、建物の半数以上が流失するか再使用が不可能になることが分った。
木造の津波に対する弱さが改めて浮き彫りとなる一方で、階数別にみると新たな特徴も浮かび上がる。例えば、3階建て以上の木造は2階建て以下に比べて被害が大幅に小さい傾向にあると分った。半数以上が流失するか再使用が不可能となる浸水深は8m超で、RC造と大差なかった。同省都市局都市計画課の山川修企画専門官は「3階建て以上の木造は総じて新しく、頑丈だったのではないか」と説明する。
調査では岩手、宮城、福島の3県37市町村を対象に、死亡者の年齢構成も把握した。過半数を占めたのは65歳以上の高齢者。災害弱者対策は、今後の重要課題となる。死亡者の住所が把握できた宮城県石巻市など13市町については浸水深と死亡率の関係も調べ、浸水深が高いほど死亡率が高くなることを確認した。調査対象とした地域について、宮城県石巻市の牡鹿半島より北を「リアス式海岸」、南を「平野部」に大きく分類して比較すると、同じ浸水深では平野部での死亡率が高いことも分った。避難できる高台などがなかったことなどが関係しているとみられる。
都市局では現在、避難実態調査を進めており、2011年内を目途に第1報を公表する方針だ。個別の建物の破壊性状などについては、津波避難ビルの要件を検討している住宅局が中心となって調査を進めている。(木村駿)
ソース :
日経アーキテクチュア 2011_10-25