東洋構造コンサルタント株式会社 1級建築士事務所
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2013年の記事一覧
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入船みなとタワーで天井落下
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南海トラフ地震被害は最大220兆円
天井の脱落対策が14年度から義務化へ
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建築確認不十分で静岡市に賠償命令




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建築確認不十分で静岡市に賠償命令
 静岡市内の分譲マンション耐震強度不足問題をめぐって、建て主のザ・トーカイが特定行政庁の静岡市や設計者のサン設計事務所(静岡市)などを相手取り、約10億円の損害賠償を求めた訴訟で、静岡地裁は12年12月7日、設計者と構造設計者と市に約9億6000万円の賠償を命じる判決を下した。このうち約2億9000万円は設計者と構造設計者が支払い、約6億7000万円はこの2者と市が連帯して支払うよう命じた。この事件はいわゆる姉歯事件とは無関係。耐震強度不足をめぐって特定行政庁の賠償責任を認めた判例は、姉歯事件でさえ地裁判決の1件しかなく、その事案も高裁判決では特定行政庁の賠償責任を認めていない。
 このマンションは鉄筋コンクリート造の地上10階建て、全36戸で03年3月に竣工した。建て主のザ・トーカイは01年12月、設計をサン設計事務所(以下、サン設計。08年6月に破産)に発注。サン設計は02年1月、構造設計を同市内の月岡彰構造研究所(以下、月岡研究所)に依頼した。月岡研究所は02年3月、構造設計の二次設計が完了していない段階で、構造計算書をサン設計に提出。その際、保有水平耐力比が、耐震強度不足とされる1.0未満であることを示す最終ページを除いていたうえ、この事実を説明しなかった。構造図は、一次設計が終了した段階で作成したものを提出した。サン設計は同月11日、これらの資料を含めて、特定行政庁である静岡市に建築確認申請書を提出した。市の建築主事は最終ページの欠落を月岡研究所に指摘し、その提出を求めた。同社は、保有水平耐力比が1.0を満たすとする最終ページだけを提出した。この結果が提出済みの計算過程と整合していないことに主事は気付かず、02年5月に建築確認済み証を交付した。
 このマンションの耐震強度不足が発覚したのは07年4月。姉歯秀次・元一級建築士による構造設計書偽造事件をきっかけに、国土交通省が無作為抽出した全国のマンションの耐震強度を調査した際、明らかになった。こうした事実を受けて、ザ・トーカイは既に分譲を終えていたマンションの全住戸を住民から買い取り、08年10月に解体した。
 訴訟では、建築主事が審査すべき範囲が大きな争点となった。原告は、「建築主事が、建築基準関係規定に適合しない確認申請を看過し、確認済み証を交付したことは違法行為」と主張。「追加で提出された最終ページと、それ以前に提出されていた構造計算書とが連続していることの確認を怠ったことは、職務上の義務違反であり、重過失だ」と訴えた。これに対して市は、「建築主事は、建築士の設計が建築基準関係規定を満たしていることに一定の信頼を寄せ、法令に定められた事項だけを、職務上要求される注意義務をもって審査すれば足りる」と反論。構造計算書の整合性が取れていなかったことについては、次のように述べた。「06年の建基法改正前は、主事が構造計算書を再計算する義務はなかった。計算書の最初から最後までチェックすることは不可能。構造計算書のページ数が連続しており、計算プログラムが同一であることなどを確認しているので、通常負うべき注意義務は果たしており、過失はない」
 判決では、建築主事の審査範囲について、「建基法は、全ての申請書類を厳密に逐一審査することまでは求めていない」「建築確認制度は、建築士の技術的能力や責任感に対する信頼を前提としている」と認めた。そのうえで、「保有水平耐力比が法令の定める基準を満たしているかについて、二次設計の結論部分を確認することは最低限必要」と判断。最終ページの欠落という「頻繁にあるとは通常考えがたい事態」が生じた以上、「提出されていた計算過程との連続性について慎重に確認すべきだった」との見解を示した。市の建築主事は職務上、通常尽くすべき注意義務に反し、国家賠償法上の違反があったとして、賠償責任を負うと結論付けている。構造設計者である月岡研究所と月岡彰代表については、整合性のない構造計算書を提出して放置したことなどを指摘。杉山廣元代表らサン設計の関係者3人については、「構造計算書の結論部分を形式的にチェックさえしていれば、結論部分の欠落に気付き、構造計算書や構造図の瑕疵を是正できた」と言及した。両者に対し、建物としての基本的な安全性が欠けないように配慮すべき注意義務に違反したとして、不法行為責任などに基づく損害賠償責任を認めた。そのうえで静岡地裁は、「静岡市ら被告らは客観的にみて一体ないし不可分の損害を原告に与えた」と判断。共同不法行為者として連帯債務を負担するという結論を下し、建物の住民からの買い取り費や解体費など約9億6000万円の賠償を命じた。市は14日、東京高裁に控訴することを決定した。静岡市建築指導課の担当者は、「建築主事が注意義務を怠ったと裁判所が判断したことについては、建築主事の業務に対する法令解釈上の誤りがある」と話している。 (高市 清治)























ソース :
日経アーキテクチュア 2013_1-10
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